安保法制を肯定する「希望の党」との共闘はありえない

10月2日、市民連合やまがたは、民主党の事実上の解党と希望の党への「合流」方針について、次のような見解を発表しました。

 10月22日投開票日の総選挙に向けて、民進党が実質的に解党し、希望の党に合流することが両院議員総会で承認されたという事態を受けて、市民連合やまがたとしての現状認識と今後の対応の仕方について見解を発表します。

 市民連合やまがたは、山形県内の立憲4党(民進党共産党社民党新社会党)と市民の協力態勢を作るべく、9月26日に選挙協力の必要性と衆議院議員選挙にかかわる基本政策を内容とする要望書を、党に提出しました。今年1月の結成以降、県内3つの小選挙区すべてで野党候補が一本化され市民とともに闘えるよう、世話人会を中心に大きなエネルギーを割いて協議と行動を重ねてきたところです。しかし、民進党前原誠司代表が希望の党小池百合子代表と協議し、民進党所属の議員や党員、サポーター、さらに民進党に期待してきた市民に説明なく、希望の党への合流を主導してしまいました。

 この民進党の決定によって、これまで構築してきた市民と立憲野党の協力の枠組みが大きく損なわれてしまったことは大変残念です。安保法制廃止の一点でつながり、立憲野党の共闘を求め、これまで一緒に努力してきた県内各地の方々の無念の思いはどれだけ大きいか、想像に余りあります。私たち自身、力不足をかみしめています。

 さらに、市民連合やまがたと民進党山形県連は市民団体と政党として、また、市民団体と公認候補として何度も話し合いをし信頼関係を積み上げてきたつもりです。しかし、今回の動きは東京・永田町で起きている、国会議員関係者だけもので、市民不在の事態です。むしろ昨年の参院選で大きく広がった、私たち市民連合やまがたを含め多くの市民の自発的な政治参加を断ち切る動きです。政治への不信感が高まり、投票率の低下も懸念されます。しかし私たちはこれで意気消沈し、うつむいているわけにはいきません。市民連合やまがたが掲げてきた最重要課題である違憲の安保法制の廃止と立憲主義の回復をめざして、可能な限りの努力を続けます。

 立憲主義に反する安保法制を肯定する希望の党市民連合やまがたが共闘することはありえません。しかし、これまで立憲主義の回復と安保法制の廃止を私たちとともに訴えてきた議員が数多く所属する民進党から希望の党への合流については、今後まだまだ紆余曲折が予想されますし、新たな立憲政党の結成に向かう動きなどの報道も見られます。急速に展開する政治情勢を注視し、市民と立憲野党・議員の共闘を模索しつづけたいと考えます。

 これまで、民進党だけでなく共産、社民、新社会各党とも共同行動などを通じて信頼関係を築いてきました。これらの積み上げから政党間の信頼関係も深められたと考えています。立憲野党と市民の共闘の道を広げてこそ、私たち市民の願う平和で豊かな社会を実現する政治に近づけることを信じ、政治をあきらめることなく、不断の努力を惜しまず、闘い続けます。                              以上