【学校統廃合と子ども・学校・地域】

 高畠町ですすめられている中学校4校を1校にする計画の見直しを求めて、2日、「統合問題を考える学習会」が高畠町中央公民館で開催されました。
 講師の新谷一男氏は、京都市での統廃合反対運動の経験から、統廃合は国策で進められてきたため、高畠町だけの問題でないこと。学校統廃合を進める根拠は破たんしていることから、地元・地域と連携した運動の構築が課題であることを、大変わかりやすくお話ししてくださいました。
 

 まとめとして、「適正規模」と言うが、学校長がすべての子どもの名前と顔がわかる学校が適正な規模である。何よりも大人の論理ですすめられている統廃合を、主人公である子どもたちはどう考えているのか、子どもたちの視点で考えていかなければならない。東日本大震災で、学校が地域の拠点・避難所としての役割が一層明らかになった。統廃合で、何が起こっているのか、学習と視察と検証をし、事実に基づく反論をしていかなければならない。とまとめました。


 資料として提示してくださった、京都市教育委員会が作成した「学校は、今・・・」を見ると、
「小規模校の教育 その光と影 小規模校の利点はゆきとどいた指導ができること、実はその裏に、切磋琢磨が少ないため、児童をたくましく育てることが難しいという影が色濃くただよっています。」
 なんという書き方でしょう。こうやって、小規模校に対する不安をかきたててきたとは・・・。

 でも、この資料を逆に読んでみれば
「大規模校の教育 その光と影 大規模校の利点は切磋琢磨で児童をたくましく育てられること、実はその裏に、一人ひとりにゆきとどいた指導ができにくいという影が色濃くただよっています。」
 と言っていることになります。書き方で全く逆のイメージが作りだされます。


 講演後、元養護教諭の方からは「切磋琢磨なんてとんでもない。子どもたちは、友だちのこと・学習のこと・親との関係で苦しんでいて、もっと関わりを求めているし、学校は、その悩みを把握してあげなければならない。それは大規模校ではできない。今日参加して、退職はしたけど高畠の未来のために、子どもたちの思いを伝えていかなければならないと思いました。」
 中学校の先生からは「子どもたちは総合学習で地域を学んでいるし、給食には地域の食材が使われており、地域との結びつきが強い。地域から大事にされるから子どもたちは地域を大事にしようと考えるようになる。小さい学校では、子どもたちの出番がたくさんあり、その中で力をつけていける。伸びがよく見える。小さい学校は小さい学校なりの良さがある。」
などの会場発言がありました。