全教 学校再開にかかわり文科省に緊急要請

 全教は、文科省「令和2年度における小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における教育活動の再開等について(通知)」を発出したことを受け、学校現場の実態と要求を踏まえ、文科省に緊急要請をおこないました。

 緊急要請では、開校するにあたって、

①国の責任で十分な財政措置をとり、すべての子どもたちのいのちと健康・安全を確保するための体制を確立すること。

②休校措置により計画された授業時数が確保できない場合でも、標準授業時数を超えて授業時数を確保する必要はなく、地域や学校の実態を踏まえ、各学校で弾力的に対応するものであることを徹底すること。

③収入が急変した子どもたちの学資を負担している者に対し、入学料等の減免、減額及び猶予をおこなうことや、就学援助等の認定及び学用品費、学校給食費等の支給について年度途中の認定や申請書提出の柔軟な対応をおこなうこと、高校等就学支援金や高校生等奨学給付金について申請期間の柔軟な対応をおこなうことなどの指導を徹底すること。

④就職内定取り消しや解雇などが起こらないよう関係機関への指導を徹底するとともに、高校生等の相談体制を確立すること。

⑤ 市区町村や派遣会社に雇用された臨時・非常勤教職員の身分・賃金を保障するよう指導すること。

 などを要請しました。要請には、宮下直樹中央執行副委員長、波岡知朗書記次長、糀谷陽子中央執行委員、佐竹葉子中央執行委員が参加しました。

 

                     2020年3 月 26 日
文部科学大臣 萩生田光一
              全日本教職員組合(全教)中央執行委員長 小畑雅子


新型コロナウイルス感染症対策にかかわる 学校における 教育活動の再開等 に関する 緊急要請 書


 2 月 27 日、安倍首相 による「一律休校要請」により全国の学校で大きな混乱が生じました。 政府・文科省は、 新型コロナウイルス感染症対策にともない生じる課題について学校現場がすみやかに対応できるよう、 子どものいのちと健康を守ることを最優先にした専門家・教育関係者の英知 を集め、 各学校や教育委員会の実状や要望を把握し、必要な財政支援等の緊急措置をとる ことが必要です 。
 3月 24 日付「令和 2 年度における小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における教育活動の再開等について(通知)」において、 新学期を迎える学校の再開に向けて具体的な方針が示されましたが、今後、 開校する にあたって 、各学校や教育委員会が、児童生徒や地域の実態を踏まえ、主体的に検討し判断する こととともに 、 国の責任で、十分な財政措置をとり、早急 な 検査体制やだれもが気軽に相談で きる体制を確立 し、すべての子どもたちのいのちと健康・安全を確保する こと が求められ ます。
 以上の観点から 、下記の点を緊急に要請しま す。


              記
1.開校 する にあたって は 、 国の責任で十分な財政措置をとり、 すべての子どもたちのいのちと健康・安全を確保するため の体制を確立すること。
(1)学校現場において「3つの条件が同時に重なる場」(「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」)を避けるために必要な対策を講じること。
① 緊急に必要な教職員を増員配置するなど、 教室 内で の 少人数 指導が可能となるよう条件整備をおこなうこと。
② すべての子どもたちが利用可能な手洗い場や消毒液 、体温測定機器 等を確保すること 。
③ 必要 とする すべての子どもたち と教職員 にマスク等を提供できるようにすること 。


(2)保護者や子どもたちが気軽に相談できる体制を確立する こと。
①子どもに 保健室での対応が可能なるよう、人的財政的支援を緊急におこなうこと 。
②心のケアなども含め、 子どもたちや保護者が相談できるよう、 相談室の体制を確立すること。そのために 必要な スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置すること。
③学習支援員や部活動支援員を含む すべての教職員が 感染症対策に 必要な知識を得て、子どもたちの指導・相談にあたることができるよう対策をとること。


(3)特別支援学校等の スクールバスの増車 ができるようにすること。


2.2020 年度の 教育課程の編成において、 休校措置により計画された授業時数が確保できない場合でも、標準授業時数を超えて授業時数を確保する必要はなく、 地域や学校の実態を踏まえ、 各学校で弾力的に対応するものであることを徹底すること。

① 一律休校 によって 学習できなかった 内容の指導 については、 機械的に 授業時数を確保することで対応するのでなく、各学校の 実態 をふまえた方法 を尊重 すること 。
② 子どもたち が安定した 生活リズムを保ち、適度や運動や休養、睡眠等 を 保障 するため、子どもたち の負担が過重とならないように配慮すること。
文科省が依頼し各教科書発行者が作成した、補充のための授業等の資料の使用を押しつけないこと。


3.新型コロナウイルス感染症の 影響 により 、 収入が 急変 し た 子どもたちの学資を負担している 者に対し 、 下記の対応をおこなうよう指導 を徹底 すること。
①入学料や授業料など 学納 金 の 納付 が困難な者に対して、 都道府県や 各教育委員会が入学料等の減免、減額及び猶予をおこな う こと。
② 入学や新学期開始に際し、就学援助等の認定及び学用品費、学校給食費等の支給について、申請期日までに申請書の提出が困難な場合、柔軟な対応をおこなうこと。年度途中において認定を必要とする者については、速やかに認定し必要な援助をおこなうこと。
③ 高校等就学支援金や高校生等奨学給付金について、状況に応じ、申請期間を延長するなど柔軟な対応をおこなうこと。年度途中においても授業料減免措置等の必要な支援をおこなうこと。奨学金を必要とする高校生等に対しては、可能な限り速やかに対応すること。
④ 各制度の内容や問 い合わせ先を周知徹底し、相談に対して丁寧に対応すること。

 

4.新型コロナウイルス感染症の影響 により就職内定取り消し や解雇 などが起こらないよう関係機関への指導を徹底すること。 また、 高校生等の 相談体制を確立すること。


5. 市区町村や派遣会社に雇用された臨時・非常勤教職員について、身分・賃金を保障するよう指導すること。
                                 以上