【子どもたちの前では「臨時」はない】

 非正規雇用で働く常勤の臨時教員の多くは、学級担任や部活の顧問を受け持つなど、正規の教員と同じ仕事をしています。
 にもかかわらず、3月の末に雇用が1日途切れるだけで、3月の社会保険資格を失い、国保国民年金に切り替える必要が生じ、全額自己負担という不利益を受けていました。さらに、1日あけた4月1日には任用されるので、厚生年金に再加入と国保国民年金の脱退手続きをしなければなりませんでした。

 この問題を先進的に取り組んできたのが青森県教組と青森高教組。臨時教員の待遇改善を求め「空白の1日」問題を追及し、是正を求めてきました。県の年金事務所から「たとえ1日の空白があっても任用継続として事務処理をしてよい」という「認識」を確認しても、県教委は「通達文書がない」ということで、是正を拒否し続けました。この問題を全教に相談し、日本共産党とも懇談し、参院文教科学委員会で取り上げてもらい、厚労省審議官から「事実上、使用が継続していると認められる場合には、被保険者資格は継続するものとして取り扱うことが妥当」という臨時教員の雇用問題の是正につながる答弁を引き出しました。そして厚労省(1月17日付)総務省(1月29日付)に続き、文科省にも2月10日付で是正を求める通達文書を出させることができました。

 山教組も、全国の運動と連携し、12月9日の交渉でも取り上げ、その後も県教委に対して働きかけを続けてきました。
 そしてついに山形県教育委員会は、常勤の臨時教員を、年度をまたぎ継続雇用する際に、3月末に1日の空白を設け、3月分の社会保険料と厚生年金保険料の事業主負担をしてこなかった問題を是正し、2014年度(2015年3月分)から継続して負担することを、3月12日付で各教育事務所に通知しました。

 これまで、体に不安を抱えながら努めていらした方、お子さんの病気で通院しなければならない方、花粉症に悩まれていた方などから、「共済組合員証を返そうと思ったら、返さなくてよいと教えられてびっくりした。」「本当によかった。」「安心して勤められる。」などの感想をいただきました。

 教壇の前に立つ教職員はみんな同じで、子どもたちからしてみれば「臨時」はありません。安心して子どもたちの教育にあたれるよう、今後も臨時教員の待遇改善をめざして取り組んでいきます。